公正証書遺言は、公証人の関与のもとで作成される法的に有効な遺言の一形態です。遺言の内容については公証人による確認がなされ、遺言書として公証役場に保管されるため、遺言執行に際してのトラブル発生のリスクを低下させることができます。
以下、公正証書遺言のおおまかな概要を紹介します。
1. 公正証書遺言の特徴
• 公証人の関与: 遺言者が公証人の前で遺言内容を口述し、それを公証人が文書に記載します。そして遺言者がその文書の内容を確認し、署名します。
• 証人の立会い: 公正証書遺言には、証人2名以上の立会いが必要です。証人は、遺言者と公証人の双方が遺言書を確認したことを証明します。
• 法的効力: 上記のとおり、公証人が作成に関与するため、形式面での不備を事前に検知することができるため、法的効力が高い(遺言の有効性が後に争われる可能性が低い)とされています。
• 保管: 公正証書遺言は公証役場に保管されます。また、遺言の存在自体が確実に記録されるため、紛失や改ざんの心配がなくなります。
2.公正証書遺言の作成手順
<事前準備>
遺言内容を事前に考え、必要な資料(財産目録、相続人の情報など)を用意します。
遺言の目的や意図を明確にするために、この段階で専門家に相談することも検討しましょう。
<公証人との面談予約>
地元の公証役場に連絡し、公証人との面談を予約します。面談の日程は、遺言者や公証人の予定をふまえて調整されます。
<遺言内容の説明>
公証人の前で遺言の内容を口述します。公証人は遺言者の意向を確認し、法的に適切な表現で文書に記載します。
遺言者が文書の内容を確認し、必要な修正があればその場で行います。
<署名と立会い>
遺言者と証人2名が遺言書に署名します。公証人も同時に署名し、公正証書遺言が正式に作成されます。
<保管>
作成された公正証書遺言は公証役場に保管されます。遺言者本人や関係者が必要に応じて閲覧や写しの取得ができます。
3.公正証書遺言のまとめ
- メリット
信頼性の高さ: 公証人が関与し、証人が立ち会うため、遺言内容の信頼性が保証されます。
安全性: 公証役場に保管されるため、紛失や改ざんのリスクが低くなります。
争いの回避: 法的効力が高いため、遺言の有効性が争われる可能性が低くなります。 - 費用
費用は遺言内容や財産の規模、公証人の報酬などにより異なりますが、一般的には数万円から十数万円程度が必要とされます。
公正証書遺言は、遺言者の意向を確実に実現するための有力な手段です。具体的な手続きや詳細については、専門家に相談することをおすすめします。
相続の手続きは複雑でわかりにくいところがありますので、ご不明な点はまずは当事務所にお気軽にご相談ください。
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