自分で遺言書を書く場合のおおまかな流れについて

遺言・相続

自分で遺言書を書こうとする場合、どういう順番でなにをする必要があるのか、全体観をおさえておくことが重要です。ここではおおまかな手続きの流れについて解説します。

推定相続人の特定

・推定相続人の特定は、遺言作成において必ず必要というものではありません。しかし実際に遺言が執行される際には、預金の払い戻しをする金融機関から、相続人の範囲を確定する戸籍謄本の提出を求められることがあります。

そこで遺言作成段階で推定相続人の調査を済ませておけば、金融機関から求められた際にただちに提出ができるため、速やかな遺言執行が可能となります。

相続財産の特定

・推定相続人の特定と並行して、相続財産についても調べていきます。不動産については、法務局に登記事項全部証明書を請求するとともに、固定資産税の納税通知書が手元にあることを確認します。

また金融資産については保有する金融機関の通帳等から、金融機関名、支店名、預金の種別、口座番号を特定していきます。

遺言書作成の流れ

ここからは公正証書遺言を作成することを前提に必要な手続きを見ていきます。

<公正証書遺言を作成する際に必要な書類>

① 遺言書作成者の印鑑証明書

② 遺言者と相続人の関係がわかる戸籍謄本等

③ 遺言書作成者の本人確認資料(運転免許証、マイナンバーカード等)

④ 履歴事項全部証明書

⑤ 固定資産税の納税通知書

<遺言書文案の作成の流れ>

① 特定した財産、推定相続人の情報をもとに、どの財産をどのくらい相続させるかを決めていきます。

② 遺言書の原案および相続財産目録を作成します。

③ 公証人にメールなどで原案を示して、遺言の内容や意図を説明します。

④ 公証人に、変更すべき内容などの意見を聞き、内容を調整したのち遺言書案を作成します。

⑤ 公証役場と、遺言を作成する日時や場所を調整します。

<公正証書遺言作成時の証人の用意>

公正証書遺言を作成する際には、2人以上の証人による立会いが必要です。

最後に作成当日の流れを確認しておきましょう。

<遺言書作成の当日の流れ>

① 公証人は遺言者と証人の本人確認を行います。

② 公証人は遺言の内容を口述します。

③ 公証人は遺言の内容が遺言者の意思に相違ないことを確認します。

④ 遺言者、証人、公証人は遺言書に署名・押印します。

⑤ 遺言書の正本と謄本を受け取り、手数料を支払います。

自筆証書遺言はもちろん、公正証書遺言であっても自分で作成することは可能です。

しかし、自筆証書遺言の場合は内容に不備があって法的に無効となるリスクがありますし、公正証書遺言については、資料の取り寄せ、公証人との調整、文案作成・修正など、負担が非常に大きくなります。

時間的、精神的負担を軽くしたいという場合にはやはり専門家を活用することがおすすめです。

遺言書作成を検討される場合には、当事務所までお気軽にご相談ください。

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